白内障手術

眼科

一般人向け!白内障手術で気になるところを眼科医が簡単に説明する。

こんにちは!眼科医のみやこのじょんです!今日は、一般の方むけに、真面目に白内障手術について「気になるであろうところ」を説明していきたいと思います。おそらく、ほとんどのHPの白内障手術の説明が、「手術の方法」ですが、それを一般の方が知ったところで、「結局どこに気をつければ良いの?」と、「?」だらけだと思います。なので、ここの記事では「患者さんから良く聞かれるポイント」を主に説明していきます!では早速いってみましょう!

白内障手術は、レンズを取り換える手術

Point1.術後は必ず眼鏡が必要

3つの部位

3つの部位

眼の構造は、主に上の3つの部分から構成されておりますが、白内障手術で取り換えるのは「水晶体」と呼ばれる、上の図で言えば黄色い部分です。

この水晶体が濁る病気が白内障です。

自分の水晶体であれば、「ピントの調節」ができますが、白内障手術で水晶体を人工のレンズに取り換えてしまうと、ピントの調節ができません

なので、白内障手術後は必ず眼鏡が必要になります。

これ勘違いされる方が多いのですが、「多焦点レンズ」でも同じです。

多焦点の場合は、確かにピントが合う距離が「複数」になるのですが、ピントの合っていないところは見えません

多焦点レンズを選ぶ方は「ものすごくよく見える、眼鏡が必要ない」という「期待大!」にして多焦点を選ぶかと思われますが、実際には、「ピントの合うところの光の量が2焦点なら半分、3焦点なら1/3と減る」ので、「うっすらだけど、なんとなくピントが合っている」というのが実際のところです。

なので、「ばっちり一つの距離が見える」のは保険でできる「単焦点レンズ」なので、よっぽど多焦点が希望でない限り、多焦点を眼科医から勧めることは実はあまりありません。もちろん、多焦点の適応があり、患者さんの希望に合っていて、術後の見え方も理解できている方については良い適応の場合があるので、案内はします。(これがインフォームドコンセント)

では、単焦点レンズの場合、注意すべきポイントはどこでしょうか?

それはどこにピントを合わせるか、です。

合わせる距離は、2択です。遠方か、近方か、です。

Point2.ほとんど遠方合わせ

9割くらいの方が、遠方、つまり遠くが裸眼で見えるように合わせます。

この場合、裸眼で運転したり、テレビを見たりすることができます。

遠方、と言っても5m より遠くは遠方と思って構わないと思います。

その代わり、新聞や本を読んだり、手元は見えないので、老眼鏡が必要になります。

近方合わせの人は?

近方合わせ、つまり裸眼で近くが見えるように合わせる方は、ほとんどが強度近視の方です。

近くが見えるようにした場合は、遠くは見えないので普段眼鏡をかける必要があります。

大体30cm~50cmを目安にする施設が多いようです。

手術なので、リスクが伴う

自動車の運転をしたら、「交通事故に合うリスク」が出てくるように、手術にも必ずリスクが伴います。

主に、

  1. 駆逐性出血
  2. 眼内炎

の二つが失明につながる合併症です。

1.駆逐性出血は手術中に、目の奥でどーんと出血して失明してしまうもので、どんな人に起こりやすいのか、いったいなぜ起こるのかは分かっていません。

日本では、120万件程度眼の手術が行われていますが、そのうち数件、報告されています。

2.眼内炎は、目の傷から細菌やウイルスが入り、感染を起こして失明してしまうものです。

だいたい、2000~3000件に1件の確率で起こっています。

これに関しては、ほぼどこの施設でも感染予防のための手段を取っているはずなのですが、どうしてもある一定の確率で起きてしまいます。交通事故と同じです。

白内障手術で治らないこと

白内障手術で交換する場所は、「水晶体」だけ、です。

なので、例えば、一番表面の「角膜」に乱視がある方や、混濁がある方、もしくは奥の「網膜」に緑内障や、黄斑変性などの眼科的な疾患がある方などは、「それらが原因で見えにくい要素」は治りません。

つまり、「乱視は残る」し、「網膜が原因で見えない部分はそのまま」です。

白内障手術が2回、もしくは時間がかかる場合がある

水晶体を支えている、「チン小帯」という糸の集まりがあるのですが、ここが弱い方、というのが一定数いらっしゃいます。

手術の詳細はここでは省きますが、水晶体を取り出すときに、超音波を使うのですが、チン小帯が弱い方は、その超音波での振動に耐えられずに水晶体が眼の中にポロン、と落ちてしまうことがあるのです。

その場合は手術が2回、もしくは時間がかかる場合があります。

なぜなら「硝子体手術」という全く別の手術になるからです。

その場合、水晶体を拾い上げ、人工のレンズを「縫い付けてあげる」という方法になります。

手術が2回になって、時間も長くなって大変だ!という方もいらっしゃるかと思いますが、安心して下さい。

構造は普通の白内障手術後とあまり変わらない、という結果にはなるので視力にはほとんど影響ありませんから、安心して2回目の手術も受けてください。

手術の時間や入院、日帰りなどについて

手術時間自体は、10分程度であることが多いです。もちろん、5分で終わることや15分かかることもあります。

上記の硝子体手術になった場合は1時間以上かかる場合があります。

ただ、普通の白内障の手術であっても、手術前の準備がたくさん必要になるため、検査のためや手術直前の消毒などで他にもたくさん時間がかかることは事実です。

入院か、日帰りかですが、眼科疾患以外の疾患のある方は入院がオススメです。

日帰りであっても、手術当日以外に手術の翌日から数日間は通院が必要にはなります。

また、術後はだんだん通院頻度は減りますが、結局人工物が眼の中に入っていることにはなるので、実は、通常術後は一生病院へ通う必要があります。

術後について

術後は、翌日から良く見える人もいれば、視力があがるまで1か月くらいかかる人もいます。

傷口が塞がっていない間の、1週間程度は化粧や、洗顔やシャンプーなどは気を付けた方が良いです。

運動も、衝撃のあるようなものは1か月は控えましょう。

仕事については、デスクワークで体に負担がかからないものであればすぐに再開できるかと思いますが、そこは主治医と相談しましょう。

眼鏡の作成時期は1か月程度を目安に

また、眼鏡の作成ですが、目の中でレンズの位置がしっかりと安定するまでに1か月程度かかることが多いため、手術後1か月経過してから眼鏡を作成することをお勧めします。

それより早く眼鏡を作成しても、目の中でのレンズの位置がずれてしまうと、せっかく作った眼鏡が合わなくなってしまうからです。

ただ最近は眼鏡屋さんでも1か月程度はレンズの度数交換が無料のところが多いため、どうしてもすぐに眼鏡が必要な場合はすぐに眼鏡を作成しても、また作り直せばよいだけなので、術後すぐに作成する人もいます。

眼鏡屋さんでは合わせることが難しいと思いますので、手術してもらった病院で合わせるのが良いと思います。

術後のコンタクトレンズは?

もちろん可能です。

ただ、術後1か月以上は経過してからの方が、傷口がしっかり塞がっていて感染の可能性が低いので良いと思います。

コンタクトについて、詳しく書いた記事はこちらにあるので、是非参考にしてみてください。

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白内障手術したのに良く見えない

通常、眼科的な視機能についてよく見るポイントが「視力」と「視野」です。

白内障手術をした後は矯正視力で1.0以上出れば問題がなく、「見えない」という方のほとんどが「期待したより見えない」か「ピントがボケる」というものです。

期待したより見えない、というのは期待が大きすぎたため仕方ないです。どうしようもありません。手術が問題なく、矯正視力で1.0以上出ていれば、それ以上眼科的な介入ができないからです。

ピントがボケる、というのはこれまた実は仕方のないことで、厳密に計算式を用いて、「遠方合わせ」に合うような度数を入れても、やっぱりある一定数の方はずれてしまうものなのです。

なので、「裸眼で遠くが見える」はずが、さらに遠くにピントが合ってしまって「遠くも近くも眼鏡が必要」になってしまう方、というのも一定数いらっしゃいます。

片眼が裸眼でしっかり遠方が見えるのに、もう片方が遠くも近くも眼鏡が必要になると、「ピントがボケる」という訴えが出る方がいるように思いますが、これは裸眼でしっかり1.0見えている方がたまたま上手くいってしまった、ということなので本当に大変申し訳ないのですが、「どうしようもない」のです。レンズの位置が、少し前や後ろに0.数ミリずれるだけでピントの合う位置がずれてしまうので・・・。

まとめますが、視力については、矯正視力(眼鏡をかけた時の視力)で1.0以上あれば問題なし、と判断します。

視野については、視野検査をしないと分からないですが、視野異常がある時は、何かしらの眼科的疾患(例えば網膜の問題や、緑内障など)もしくは、それより後ろの問題、脳の問題があることが多いです。

他に、「線がぐにゃぐにゃ見える」というような場合は、網膜の疾患があることがあり、それはそれでまた別な治療が必要になってきます。

通常、白内障しか病気がない方は、白内障手術をすれば、矯正視力が1.0以上出ることがほとんどです。

 

白内障手術についてよく聞かれるポイントまとめ

  1. 術後は眼鏡が必ず必要
  2. ほとんど遠方合わせ
  3. 失明のリスクはある
  4. 手術が2回になったり、時間がかかったりすることがあるが、結果は変わらないので大丈夫
  5. 時間は10分程度が多い、通院は一生
  6. 術後1週間は注意、1か月後に眼鏡を作成するのがオススメ
  7. 見えない時は、他の病気がある可能性

いかがだったでしょうか?

もしも、他にも聞きたいことなどあれば、TwitterのDMなどでいくらでも聞いてください!

答えられることはバンバン答えます!ではでは、もしもこの記事が「参考になったよ!」とか「イイね!」と思ったかたは、僕のTwitterやYoutubeのフォローやチャンネル登録をお願いします!よろしくです!

 

  • この記事を書いた人

みやこのじょん

若手医師 兼 新人ブロガー 2020年4月、田舎への転居&コロナ自粛をきっかけに、YoutubeやTwitterなどの閲覧時間が爆増。楽しむ側になるだけではなく、自分もいろんな人を楽しませたい!とネットでの活動を開始した。 趣味はネット。人生とは楽しむものである、がモットー。

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