可塑性というのは力を加えても、ひずみが生じなくなるように強く、硬くなることを言う。
つまり、神経可塑性というのは、何度も何度も同じような神経回路に刺激を加えることによって神経回路が強化され、少しの力では変化がしなくなる、ということでありこれが記憶ができる仕組みである。
神経に同じ刺激を与え続けると、ちょっとやそっとではその回路が崩れなくなる、ということは、同じような思考をするほどその同じ思考から抜け出せなくなる、ということでもある。
これに関して、例えば怒りっぽい人がいる、とかあの人はよく気がきく、とかは、その人自身が「常に同じような神経回路を使っていて神経可塑性」によってその回路が強化されているため、と説明ができる。
つまり、普段からよく怒っていると、怒りっぽくなり、ネガティブな思考をよくしていると、ネガティブになりやすくなり、心配をしていると、心配性になるというのは、この神経可塑性によって全部説明ができてしまうのだ。
これを、応用したものが、「宗教」や「詐欺」に引っかかる人である。
神経可塑性によって、「一度思い込んだもの」が強化されるのだとすれば、「一度信じてしまったこと」を「間違っている」と認識することが難しくなる。
これらのことは、認知的不協和などの他の心理学的要素も絡んでくることだが、科学的な用語で宗教や、詐欺を説明するとすれば、神経可塑性という単語を使うのが適切ではないか。
神経可塑性・・・
こんな言葉、最近まで全然知らなった。
もしかしたら、医学の勉強で習ったのかもしれないし、実は大事なことかもしれないのだが、普段の生活では全然使うことがないから忘れていたのかもしれないが。
世の中には、知らないことがたくさんあるものだ。