いつかの世界
それは、職場でのある同僚の一言からだった。
「死んだら、自分の世界が終わる、ただそれだけだよね」
そうか。
確かに、世界のどこかで戦争が起ころうと、自分の生活で戦争がなければ関係ない。
自分の体調がとても悪くなってしまい、息をするのが苦しくなってしまって、働けなくなったとしても他の人にとっては関係ない。
そうなんだ。
自分の見ている世界が、結局すべてなんだ。
それは薄々気付いてはいたけれど、理解するのには時間がかかり、さらには自分の心が納得するまでにも抵抗のある事実であった。
なぜなら、自分が死んでしまったら、この世が終わる、自分の見えている世界がすべてだということは、今の現状の責任はすべて自分にあると認めなければならないからだ。
今の自分の現状に満足しきれていない場合、それを認めるのは苦痛だ。
もっとこうしたかった、もっとああしたかった。
そういう不満がある限り、「今見えている世界がすべて」という事実を認めてしまうと、例えば「いつか白馬の王子様が」とか「いつか豪邸に住むぞ」というその「いつか」は永遠に来ないことを認めることになる。
今の世界のその先に、「いつかの世界」が見えていなければ、永遠にその世界は実現しない。
「今の生活を続けていて、その世界が来ることは想定できるか」の答えに関して、「No」であれば永遠にその「いつかの世界」は来ないことになる。
だから、「今見えている世界がすべてだ」ということを認めたうえで、自分の「いつかの世界」が実現するためには、「今見えている世界で、自分はどうしたらよいのか」ということを考えて、行動に移す必要がある。
死んだら、世界は終わる。
自分の今見えている世界が、全てなんだ。
人生は、シンプルだ。
「いつかの世界」を実現するために、「今の世界」を変えていこう。