イモトのWifiは、このWifiサービスを使ったことのない方でも知っている方が多いと思う。
それほどまでにこの会社のマーケティングは大成功している。
そして、この会社の社長さんが西村さんというのも、何かの番組で西村社長が出ていたこともあって僕は知っていた。
その西村さんが本を出した。
「最強の知名度のつくり方」である。
この本を僕は昨日一気に読んだ。
というのも、あの有名な郷ひろみさんが出演しているCM、「にしたんクリニック」というPCRクリニックがまさかの西村社長が作ったクリニックだったからだ。
にしたんクリニック自体も、僕はちょうど開院した頃に秋葉原の電光掲示板でCMしているのを見て「ふざけたクリニックがあるもんだなぁ」と妙に記憶に残っていた。
ところが、にしたんクリニックという名前は知っていても、何をしているクリニックであるかは知らなかった。
それが昨日、Twitterで流れてきたタイムラインで「イモトのWifiとにしたんクリニックを作った西村さんが本を出した」というのを見て、「あぁあああ!!!なるほどな!!!そういうことか!!!!」とマーケティングがうまい西村社長の戦略だったのか!と、とても納得し、その意図が書いてあるというので速攻Amazon Kindleで購入、一気に読了した。
そして、にしたんクリニックがまさかのPCR検査をしているだけのクリニックで、なんと年商180億円、営業利益100億円近くのビジネス的な大成功を収めているのを知り、驚愕した。
もちろんコロナという特殊な状況が生み出したものではあるし、もっと早くから気づけばよかったのだが、この特殊な状況というのはとんでもなく儲けることができる状況と言っても過言ではない。
ビジネスというのはそもそも「需要」があって成り立つ。
無理やり需要を作る必要がなく、自然に発生するものが病気であり、だからこそ医師という職業がくいっぱくれがないと言われるのはそういうことだ。
さらに、その仕事に関しての単価を上げるには「供給」が少なく、かつ「専門性が高い」ほど単価が高くなり、医師免許がなければできない医業というのはだからこそ医者の仕事というのは時給が高いのである。
ただ、そこには実はビジネスチャンスというものが生まれる。
医者なら大抵知っていることだが、世の中には医師免許がなければできないけれど、実際の求められるスキルや知識が一般人レベルでもできてしまうもの、というのが存在するのだ。
それが「脱毛の機械は医師が常駐していなければ使ってはいけない」であったり、「AGAの薬は医者しか処方できない」であったりなどだ。
そこに今回、「PCRでコロナ陽性となった人の”確定診断”」という絶妙なポジションが生まれ、うまくそこをマネタイズしたのがこの「にしたんクリニック」である。
ただ、この本で西村社長が強調していることは、ビジネスの仕組みではない。
「マーケティング」についてである。
つまり、どういう仕組みのビジネスが儲かるか、ではなく、どういうCMや広告をすれば商売がうまくいくか、ということだ。
世の中にあるサービスの大半に大きな差はない。
むしろ、とても良い商品・サービスであっても、「誰も知らない」状態であれば全く売れない。
”だからこそ、知名度を上げることが最も効率的である”というのが西村社長の理論だ。
つまり、CM一発で見てもらった人に「覚えてもらう」ことが一番の目的であるので、「イモトのWifi」であったり「にしたんクリニック」のCM、広告はとても理に適っているのである。
この本を読んで、僕は思った。
そうか。じゃぁ、僕が脱毛クリニックを開業するときは「お肌ツルツルクリニック」だし、AGAのクリニックなら「頭ふさふさクリニック」だし、眼科なら「おめめクリクリクリニック」にしようかな、と。