金融の期待と物理的コストのねじれを追い、2008年型トラップのリスクを監視する日次レポートです。
2008年型トラップ監視レポート - 2026-09-10
2008年型トラップ監視レポート
2026/9/10 08:20 JST時点
【1. 基本指標:買い場判定】
Fear & Greed Index:39前後(Fear)
目安15以下には遠い。恐怖は出ているが、まだ「総投げ」ではない。
VIX指数:直近FRED終値 15.72、Yahoo気配 16.17前後
目安30以上には遠い。市場はまだ本格的なクラッシュ保険を買っていない。
S&P 500 週足RSI:概算55〜62
目安30付近には遠い。日足は冷えたが、週足ではまだ中立圏。買い場シグナルなし。
判定:真の買い場ではない。下げ始めの恐怖はあるが、パニックの安値ではない。
【2. 2008年型トラップ監視】
- 米10年債利回り:4.80〜4.83%
危険。株式市場がまだAI・大型株の物語を完全には捨てていない一方、10年債は高止まり。これは「金融緩和期待」より「インフレ・財政・原油ショック」を債券市場が見ている形。株高と金利高の同居は持続性が弱い。
- ビッグテックCapExとエネルギーコスト
AI投資はなお巨大。Meta、Microsoft、Amazon、Alphabet中心にデータセンター・GPU・電力契約・冷却設備の固定費が膨張。問題は売上成長ではなく、減価償却と電力コストが遅れて利益率を削る点。原油・電力価格が上振れるほど、AIの「高成長物語」が「高固定費ビジネス」に変質する。
- IEA / SPR / 原油
Brentは99〜100ドル近辺、ホルムズ・中東リスクで120ドル超シナリオも市場に再浮上。EIAは2H26のBrent平均を約90ドルと見ているが、足元はそれを上回る。米SPRは約2.866億バレル、容量比40%程度で、過去の危機対応余力より薄い。物理的ショックへのバッファは十分ではない。
3. 総評と行動指針
現在地:Bear Market Trapの「楽観の剥落初期〜現実コスト再評価局面」。
まだクラッシュ後の買い場ではない。むしろ危ないのは、VIXが低く、Fear & Greedも極端ではなく、週足RSIも崩れ切っていないのに、10年債・原油・AI CapExという物理コスト側がすでに赤信号を出している点。
行動指針:
キャッシュ厚め維持。押し目買いは急がない。
買い出動条件は、Fear & Greed 15以下、VIX 30超、S&P500週足RSI 30台前半、かつ10年債か原油の圧力が反転すること。
現時点では「守り優先」。AI相場の物語より、金利・原油・電力コストの現実を重く見る局面。