フィナステリドとミノキシジルのAGAに対する効果を現役医師が徹底解説
”フィナステリド・デュタステリドは「予防する薬」であり、ミノキシジルは「生やす薬」です。”というような文言を見たことがあるのではないでしょうか?
確かに、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインでは男性型脱毛症に対するフィナステリド・デュタステリドとミノキシジルでの薄毛治療は強く推奨されています。
ただし、フィナステリド・デュタステリドは男性ホルモンの量を調整する薬のため、女性に対しては使用禁忌です。
そのため、女性の薄毛治療に関してはミノキシジルのみを使用します。当院では、月々 4,900円からオンラインで薄毛治療が可能です。お気軽に下記予約ページからご予約ください。
この記事では、それぞれの薬の作用機序と効能・効果について医学的に説明していきます。男性と女性それぞれの効果と、併用療法についても解説していきます。薬の作用や副作用について、毛の成長や薬効のメカニズムについて患者さんご自身で理解するための補助的な情報提供となれば幸いです。
毛の生え変わりと薄毛の原因
そもそもの薄毛の原因は、毛のサイクルの乱れです。
男性型脱毛症(AGA、正式名称:Androgenetic Alopecia)と女性型脱毛症(FPHL、正式名称:female pattern hair los)のどちらも毛の自然な生え変わりと関係しております。
これを簡単に解説していきます。
毛は周期的に生え、抜けていく

毛周期
まず、毛を生やしているのは皮膚の表層にある毛包(もうほう)と呼ばれる部分です。
毛包にはサイクルがあり、上記図のように初期成長期→成長期→退行期→休止期→脱毛、というようなサイクルを通常は2~6年かけて繰り返しています。
そして、実はこのサイクルは人によって少し異なりますが通常40サイクル程度で終わってしまうのです。
初期成長期~成長期に十分に栄養がいきわたり、上部に育った毛は太く上部な毛となります。
そして、休止期~脱毛期に入ると毛包は萎縮しいったん毛は抜け落ちますが、しばらくすると再度毛包は成長をしながら毛を作り、再び生えてくるのです。
この毛周期(毛サイクル)を繰り返しております。
男性型脱毛症の原因
上記の毛周期を調節しているホルモンが、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンです。
男性ホルモンの一種である、テストステロンが毛包の細胞に達すると、5α還元酵素と呼ばれる還元酵素によってテストステロンがジヒドロテストステロンへ変換されます。
このDHTが毛周期の「成長期」の期間を短くするという作用を持っているのです。
さらに、毛包を小さく「ミニチュア化」してしまうという困った作用も持っています。
AGAの方は、このジヒドロテストステロンの量が多く、その結果成長期が短く十分に成長していない細くて弱々しい毛ばかりが生えきます。つまり、ボリューム自体が少なくなってしまうのです。
さらに、弱い毛はすぐに抜けてしまいますから、休止期→脱毛期に入る期間も短く、結果的にどんどん髪の毛が薄くなってしまいます。
DHTは男性型脱毛症(AGA)の「鍵」となる分子です。
毛包の細胞には受容体(じゅようたい)呼ばれる部分があり、DHTという「鍵」が受容体という「鍵穴」に結合することで上記の作用を発現します。
受容体の働きは体質や遺伝によっても違います。この体質の違いが、男性型脱毛症になる人とそうでない人を分ける大きな要因となっているのです。
女性型脱毛症の原因
女性型脱毛症の原因はまだよく分かっておりません。患部の毛包が小さくなるところは男性型脱毛症と共通していますが、5α還元酵素やDHTによるものだけではなく、脱毛のパターンも異なります。

女性の薄毛5パターン
びまん性脱毛症:最も多い脱毛症で、髪の毛全体が薄くなります。
FAGA:加齢やストレスなどによるホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンにも影響がでることで起こります。
牽引性脱毛:ヘアセットの際に髪の毛が引っ張られることで起こります。
分娩後脱毛:出産後のホルモンバランスの変動により起こります。
粃糠(ひこう)性脱毛症:頭全体に細かい灰白色のフケが発生して毛髪が薄くなる病気です。皮脂の分泌により頭皮に炎症を起こすことが原因となります。粃糠性脱毛症の治療を行う場合、頭皮の炎症を抑えるステロイド剤や皮脂の分泌を抑える外用薬を塗る治療法が一般的です。また、炎症にともなうかゆみを抑えるための飲み薬(抗ヒスタミン薬)を併用することもあります。
フィナステリドの効果
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、それぞれの治療法と効果・安全性、副作用などが5段階で評価されています。フィナステリド・デュタステリドの内服は男性型脱毛症の治療法として最高の評価(「行うよう強く勧める」)が与えられており、現在最も信頼できる治療薬のひとつとなっています。
フィナステリドは毛包のミニチュア化を抑制する
先ほどのホルモンの説明で、ジヒドロテストステロン(DHT)がテストステロンにより生成されることは理解されているかと思います。フィナステリドは、この変換酵素である5α還元酵素をブロックするのです。そうすることで、DHTの血中濃度が低くなり、結果的に成長期が短くなることが防げます。その結果、毛包のサイクルは正常に近づき、太くて丈夫な毛が生えてくるため男性型脱毛症の症状が緩和できる、治療ができる、という機序となっております。
ただし、これはあくまでDHTの血中濃度を下げているだけにすぎず、体質自体は変わらないため、薬の服用を辞めるとAGAが進行してしまいます。そのため、治療効果を長くするためには継続的な内服が重要なポイントとなってきます。
フィナステリドは女性や子供には禁忌
フィナステリドは、男性ホルモンであるジヒドロテストステロンを調節する薬です。女性はそもそもの男性ホルモンの量が少ないため、このフィナステリドを服用してしまいますと、相対的に極端な男性ホルモンの減少につながり副作用がとても強く出てしまいます。
そのため、内服はもちろん禁忌です。同じ理由で、子供も禁忌です。
また、胎内の男児の生殖器発育に悪影響を与える恐れがあり、母乳を通した男児への影響も考えられるため、妊婦や授乳中の女性はさらに注意が必要で、できることなら薬に触れるなども避けた方が良いです。
ミノキシジルの効果
日本皮膚科学会の「ガイドライン」で、ミノキシジルの外用は男性型脱毛症・女性型脱毛症の両方で「行うよう強く勧める」と評価されています。ただし、ミノキシジルの「内服」については効果と安全性が十分に検証されていないため「推奨はしない」とされています。
ミノキシジルの外用で毛包の成長が促進される
ミノキシジルはもともと高血圧の薬として開発されてきました。
つまり、血管の拡張作用が期待されます。ミノキシジルが毛包の成長を促進する理由は正確には解明されていませんが、毛包にいきわたる血管を拡張させる作用があるからだと言われています。
つまり、毛包に血液がしっかりいきわたることで、毛の成長を促し、太くて丈夫な毛を育てることができるのです。
こちらもあくまで対処療法となりますので、継続的な使用をする必要があります。
ミノキシジルは女性にも効果がある
ミノキシジルの内服は推奨しないとされていますが、外用薬は男性型脱毛症(AGA)だけではなく、女性型脱毛症にも効果あるとされています。
女性にとっては唯一信頼できる脱毛症の治療薬がミノキシジルなのです。
日本では5%までの濃度の外用薬であれば市販でも販売できるようになっております。
ちなみにこれらがリアップなどです。
しかし、それ以上の濃度となると医師の処方箋がなくては輸入もできないこととなっており、クリニックでしか手に入らない状況です。
当院は医師が診察、処方するクリニックですのでもちろん利用できます。7%と15%をご用意いたしております。
ただし皮膚が弱い方の場合は、荒れる場合などがありますからしっかりと医師の診察もとに使用する必要があります。
ミノキシジルは医師の指示のもと服用する
ミノキシジルの内服薬を脱毛症の治療薬として認可している国は今のところないです。アメリカでは降圧剤(血圧を下げる薬)として認可されています。しかし、副作用の危険が大きく(脱毛症で使用する濃度の100倍くらいのため)使用には厳重な制限があります。
そのため、個人輸入などで入手したミノキシジル降圧剤を使用することは絶対に避けましょう。
低濃度のミノキシジル内服薬が脱毛症に効果があるという研究もありますが、1年を超える長期的な内服療法を検討した研究はまだありません。
また、内服が外用より効果的なのかどうか(あえて内服する意味があるのかどうか)もはっきりしておりません。
フィナステリドとミノキシジルは併用できるのか
上記で説明・解説してきた通り、作用機序が全くことなる薬のため併用することはもちろん可能です。
むしろ、積極的に併用することで治療効果がより発揮されやすいという研究結果があります。
事実、大手のAGAクリニックを含めほとんどのクリニックでフィナステリドとミノキシジルの併用療法がおこなわれております。
近年ではミノキシジル外用薬とフィナステリド「外用」薬を併用した実験の例もあります。ミノキシジル外用とフィナステリド内服を併用するよりも、「ミノキシジル外用薬に低濃度のフィナステリド外用薬を混ぜたもの」を塗布したほうがやや効果が高いという結果が出ています。
当院オリジナルの薬ではありませんが、フィナステリドを配合した外用薬もご相談くだされば処方できますのでお気軽にお尋ねください。
フィナステリドとミノキシジルでの併用療法は長期的な視点が大切
フィナステリド内服とミノキシジル外用は効果と安全性が実証されており、安心して選択できる治療法です。
男性の場合は併用により効果が高まることも期待できますし、実際に毛量はかなりの確率で増えます。
ただし、どの治療であっても使用をやめると効果がなくなり、薄毛が再び進行してしまいます。その点をご理解の上、費用面も十分に検討しながら長期的な治療計画を立てることが大切になってきます。
当院での治療を検討されている方は、是非当院のオンライン診療をご利用ください!