金融の期待と物理的コストのねじれを追い、2008年型トラップのリスクを監視する日次レポートです。
2008年型トラップ監視レポート - 2026-08-25
2008年型トラップ監視レポート
2026/8/25 08:20 JST時点
【買い場判定】
・Fear & Greed Index:55 Neutral(真の買い場目安 15以下)
→ 恐怖は足りない。まだ投げ売りではない。
・VIX:15.85前後(目安 30以上)
→ ボラは低すぎる。市場は危機を十分に織り込んでいない。
・S&P 500 週足RSI:推計60台前半、少なくとも30付近ではない
→ 直近の日足RSIは45台まで冷却とのデータあり。ただし週足ベースではまだ本格的な売られ過ぎ圏ではない。
結論:買い場シグナルはゼロ。株価は高値圏、恐怖は薄い。
【2008年型トラップ監視】
- 米10年債利回り:4.72%
株高にもかかわらず長期金利が高止まり。これは「債券市場の反乱」寄り。インフレ粘着、財政不安、エネルギー高を債券が先に警告している構図。
- ビッグテックとエネルギーコスト
Microsoft、Google、Meta、AmazonのAI/データセンターCapExは2026年に合計7250億〜7600億ドル規模との見方。Amazonは年間キャッシュCapEx約2200億ドル規模のガイダンスも出ている。
表面上はAI成長物語が勝っているが、チップ、メモリ、電力、冷却、送電制約が利幅を削る段階に入りつつある。Microsoftのクラウド営業利益率が巨額AI投資下でも横ばいという点は、まだ崩壊ではないが「聖域の亀裂」として監視強化。
- IEA / SPR / 原油
IEAは2026年の世界石油供給を前年比4.3mb/d減の102mb/dへ下方修正。ホルムズ海峡の実質閉鎖・中東輸出減・ロシア要因で供給ショックが継続。需要も高価格で1.6mb/d減見通し。
Brentは約92ドル/bbl。米SPRは8/14週で約2.934億バレル、認可容量の約41%。緊急放出余力はあるが、長期ショックを吸収するには薄い。
【総評】
現在地は「Bear Market Trapの中盤」。金融市場はまだNeutral〜楽観、VIXも低い。一方で物理側は、原油供給、長期金利、AIインフラコストが同時に重くなっている。
提言:高度な守りを継続。キャッシュ厚め、レバレッジ抑制、AI・大型グロースへの集中リスクを落とす局面。買い出動はまだ早い。条件は Fear & Greed 15以下、VIX 30超、S&P週足RSI 30付近、かつ10年債と原油の上昇が止まること。現状は「押し目」ではなく「物理コストが金融の物語を試し始めた段階」。