金融の期待と物理的コストのねじれを追い、2008年型トラップのリスクを監視する日次レポートです。
2008年型トラップ監視レポート - 2026-08-28
2008年型トラップ監視レポート
2026/8/28 08:20 JST時点
【買い場判定】
・Fear & Greed Index:58(Greed)/買い場目安 15以下
→ まだ楽観圏。投げ売り局面ではない。
・VIX:15.21(8/26終値)/買い場目安 30以上
→ 恐怖は全く足りない。市場はまだ「保険を買っていない」。
・S&P 500 週足RSI:概算57前後
→ 中立からやや強め。30付近の capitulation には遠い。
結論:真の買い場シグナルは0/3。今は買い下がり局面ではなく、楽観が残ったまま物理コストを無視している局面。
【2008年型トラップ監視】
- 米10年債利回り:4.66%(8/26)
S&P 500は7,675近辺と高値圏に残る一方、10年金利は4.6%台で高止まり。これは株式市場の「AI成長なら耐えられる」という物語に対し、債券市場が「インフレと供給制約は終わっていない」と反抗している形。株高・金利高の同居は危険信号。
- ビッグテックとエネルギーコスト
AIデータセンターCapExはなお拡大。市場は売上成長を見ているが、GPU、電力、冷却、送電接続、建設遅延が利幅を削る構図が強まっている。ここでクラウド需要やAI課金単価が少しでも鈍ると、「聖域」だったGAFAMの利益率に疑念が入る。まだ決算崩壊ではないが、コスト側の圧迫はかなり現実化。
- IEA・SPR・エネルギー危機
IEAの8月報告はかなり悪い。ホルムズ再閉鎖・中東供給障害で、2026年の世界供給は前年比4.3mb/d減、3Qは1.8mb/d不足見通し。7月だけで世界在庫は69百万バレル減、2月末から7月末まで累計410百万バレル減。Brentは一時105ドル、直近も90ドル台。
米SPRは約2.90億バレル、満容量の約41%。政策余力はあるが、2008年型の「価格を止める最後の弾」としては薄い。
【総評】
現在地は「Bear Market Trapの中盤:楽観の再膨張、物理コストの蓄積」。
株式市場はまだ恐怖を織り込んでいない。VIXは低く、Fear & GreedはGreed、RSIも崩れていない。一方で、金利・原油・AIインフラコストは明確に重い。つまり金融の物語はまだ勝っているように見えるが、足元では物理的現実が静かに首を絞めている。
行動指針:
・キャッシュ厚め維持。
・指数の本格買いはまだ早い。
・買い場条件は「Fear & Greed 15以下、VIX 30超、週足RSI 30台前半、かつ10年金利か原油がピークアウト」の同時接近。
・今はリスク資産を追うより、急落時に動ける余力を守る局面。