レーザーテック分析2025年4月3日

承知しました。レーザーテックについて、今後1〜3ヶ月間の株価見通しに関して、注目されるすべての材料(業績、需給、半導体市況、政策動向、競合状況など)をもとに分析を行います。関連するテクニカル指標や市場センチメントも含めて検討しますので、少々お待ちください。

レーザーテック(6920)株価見通し:今後1〜3ヶ月の展望

最新決算内容と会社業績予想

レーザーテックの2025年6月期第2四半期(2024年10-12月)決算は、売上高922億円(前年同期比+93.4%)、**営業利益477億円(同+122.3%)**と四半期ベースで過去最高を更新しました (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。半導体製造装置の需要拡大や生成AIブーム、EUV露光装置関連技術の進展が好調業績を牽引し、営業利益率も51.8%と驚異的な水準に達しています (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。主要顧客のある台湾・米国向け販売も順調に拡大し、同社の強みが際立ちました。

しかし会社側は通期業績予想を据え置き、2025年6月期の売上高2,400億円(前年比+12.4%)、営業利益1,040億円(+27.8%)を見込むに留めています (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。上期(2024年7-12月)経常利益は前年同期比+99.5%増の624億円で計画の60%に達しながらも、据え置き予想に基づくと下期(2025年1-6月)の経常利益は前年同期比▲18.1%減と試算され、下振れを織り込んだ形です (レーザーテック〖6920〗、上期経常が99%増益で着地・10-12月期も2.4倍増益 | 決算速報 - 株探ニュース) (レーザーテック〖6920〗、上期経常が99%増益で着地・10-12月期も2.4倍増益 | 決算速報 - 株探ニュース)。これはEUV露光装置向けマスク関連装置の受注が今後大幅減少する見通しであり、「現在の好調な業績は今期までに留まる可能性」が指摘されています (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。実際、同社は最新決算で受注状況の開示を取り止める方針も示しており、慎重な姿勢が伺えます (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。つまり、直近の業績絶好調にもかかわらず、来期以降の成長持続性には不透明感が残る状況です。

半導体業界の市況(特にEUV関連)

半導体製造装置業界全体では、生成AI向け先端半導体への設備投資が追い風になる一方、メモリや自動車・産業向け半導体需要の減速もみられる「まだら模様」の市況です (日本製半導体製造装置の25年度販売は5%増予想、中国に不透明感 - Bloomberg)。日本半導体製造装置協会(SEAJ)の予測では、2024年度に日本製装置販売額が前年比+20%と上振れた後、2025年度は前年比+5%の4兆6,590億円と小幅増に留まる見通しが示されています (日本製半導体製造装置の25年度販売は5%増予想、中国に不透明感 - Bloomberg)。これは車載・パワー半導体投資の一服や中国での新規装置購入減を懸念する一方で、AI需要や先端ロジック投資の拡大が全体を下支えするとの見立てです (日本製半導体製造装置の25年度販売は5%増予想、中国に不透明感 - Bloomberg)。業界としては2025年後半以降の先行きに不透明感があり、メーカー各社も慎重な計画を立てています。

レーザーテックに関して言えば、同社主力のEUV関連マスク検査装置は世界シェア100%の製品もあり競合がほとんど存在しません (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。過去数年、EUV露光技術の本格導入を背景に同社は爆発的な受注増を享受し、受注から納品まで平均1.5〜2年を要するほどの旺盛な需要に対応しきれない状況でした (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。実際、前年度の同社受注高の半分以上がEUV向け製品で占められていました (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。しかし現在、そのEUV関連需要に一服感が出始めています。ASML製EUV露光機の導入ペースや、大手半導体メーカー(TSMCやIntel、Samsungなど)の最先端投資計画が慎重化しており、レーザーテックでもEUVマスク検査装置の新規受注が減速する見通しです (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)。これは前述のように会社予想据え置きの根拠にもなっており、半導体市況全体の変調(先端分野の一時的な投資調整)がレーザーテックの業績に波及しつつあります。

もっとも、中長期的には**2nm世代以降のEUV増産や将来のハイNA(EUV次世代機)**への期待も残ります。また生成AIやデータセンター需要拡大で先端ロジック投資は底堅く、2025年後半〜2026年には再度装置需要が拡大するとの見方も業界にはあります (日本製半導体製造装置の25年度販売は5%増予想、中国に不透明感 - Bloomberg)。従って、市況悪化というより「一時的な調整局面」と捉えれば、業界サイクルの回復期にレーザーテックの受注も再加速する可能性は十分あります。現時点ではEUV需要の山谷を慎重に見極める局面といえるでしょう。

地政学リスク・米中摩擦の影響

米中対立による先端半導体規制は、半導体製造装置各社にとって重大なリスクです。ただしレーザーテックは中国向け売上比率が低く、東京エレクトロンやSCREENなどに比べて米中摩擦や中国経済減速の影響を受けにくい銘柄とされています (レーザーテック (6920)〖買い〗:米中対立と中国の経済不調のリスクが少ない半導体製造銘柄 (個人予想) - みんかぶ)。実際、日本政府が米国と歩調を合わせて先端装置の対中輸出を規制する動きに対し、中国側は日本に報復警告を発していますが、その場合主に影響を受けるのは東京エレクトロンなど露光・エッチング装置メーカーだと報じられています (中国、新たな半導体規制巡り日本に報復を警告-関係者 - Bloomberg)。レーザーテックの主力製品であるEUVマスク検査装置は、そもそも中国の最先端メーカーが入手できる状況に無く(EUV露光機自体が対中禁輸のため)、現状の輸出規制下では中国市場縮小による売上影響は限定的との見解が同社からも示されています (レーザーテック新社長、2桁以上の成長ペース持続に意欲)。

もっとも、地政学リスクは間接的にマーケット全体のリスクオフ要因となります。2025年に入りトランプ政権(米国)の関税政策復活観測が高まると、米国景気やインフレへの懸念から世界的に株式市場が不安定化しました (日経平均株価の「2025年4月中旬まで」の値動き予測! トランプ関税 ...)。特にハイテク・半導体株は米中対立の煽りを受けやすく、仮に米中関係がさらに悪化した場合、レーザーテックも含め日本の半導体関連株全体が売り込まれるリスクがあります。一方で、米国の対中輸出規制強化は中国以外の半導体メーカーに恩恵(競争減)をもたらし、結果としてTSMCやIntel向けの装置需要が相対的に底堅く推移する可能性もあります。加えて、各国の半導体産業育成(日本のラピダス計画や米国CHIPS法による設備投資)も進んでおり、地政学リスクは一概にレーザーテックのマイナス材料ばかりとは言えません。このようにプラスマイナス織り交ざる要因ですが、短期的には米中摩擦激化→市場心理悪化という経路で株価変動要因となる点には注意が必要です。

テクニカル指標(移動平均線・RSI 等)

2025年4月初旬時点で、レーザーテック株価は主要な移動平均線を下回る下落トレンドを描いています。投資情報サイトのテクニカル分析では、5日〜200日といった各期間の移動平均シグナルが軒並み「売り(弱気)」判定となっており、総合評価でも“強い売り”傾向です (Lasertec Corp 株式テクニカル分析(6920) - Investing.com)。これは年初来高値の16,400円(1月8日)から直近安値11,860円(4月3日)まで約▲28%の急調整となった値動きを反映しています (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス) (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス)。現状の株価(4月上旬:約12,200円)は25日線や75日線より大幅に下方乖離しており、まずは下落基調からの底打ちサインを探る段階です。

オシレーター系では、14日RSI(相対力指数)が30前後と一般に“売られ過ぎ”とされる水準まで低下しています (Lasertec Corp 株式テクニカル分析(6920))。RSIは3月末時点で40を切り弱気シグナルを示しており (Lasertec Corp 株式テクニカル分析(6920) - Investing.com)、4月初には一時30近辺まで低下しました。これは直近の急落により短期的な売りエネルギーが蓄積した可能性を示唆します。通常、RSIが30割れに近づくと自律反発(テクニカルリバウンド)が起きやすいとされ、実際4月3日の年初来安値11,860円からは若干の下ヒゲ(引けは12,165円)をつけて反発の兆しも見られました (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス)。今後、RSIが上向きに転じて50台に回復するか、価格が25日線(現在約13,500〜14,000円と推定)を上抜けできるかがテクニカル上の転換点として注目されます。

一方、出来高は3月後半〜4月初に増加傾向を示しました(3月10日には出来高1,700万株超 (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス))。これは期末要因や海外動向で売買交錯した可能性があります。信用取引の指標では信用倍率20倍超と買い長の状況で、信用買い残の消化にも時間を要するかもしれません (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん)) (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん))。総じてテクニカル面では下向きトレンド継続中ですが、短期的には売られ過ぎ感も出てきており、目先は11,800円前後が下値支持帯、上値は直近上昇を抑えた13,000円台前半が抵抗帯となりそうです。

外国人投資家・機関投資家の動向

レーザーテックは過去数年の株価急騰を海外投資家主体の買いによって成し遂げた銘柄です。実際、同社株は過去5年間で約18倍超に急騰し、日経平均採用銘柄中トップのパフォーマンスを記録してきました (空売り投資家スコーピオン、レーザーテック標的に-株価大幅安 - Bloomberg) (空売り投資家スコーピオン、レーザーテック標的に-株価大幅安 - Bloomberg)。背景には世界的な半導体ブームがあり、「外国人マネー」が日本市場に流入してレーザーテックを押し上げた経緯があります。しかし、その高成長ぶりと個人投資家の参加の多さゆえに海外空売りファンドの標的ともなりました。2024年6月、米ショートセラーのスコーピオン・キャピタルは同社に関する334ページにも及ぶ空売りレポートを公開し、「企業不正の最終局面だ」といった過激な主張と共に同社株を空売りしたと表明しました (レーザーテック、会計処理「適切に実施」 補足説明公表 | ロイター) (Scorpion Capital on X: "$6920レーザーテックは直近の四半期決算 ...)。この動きにより株価は一時急落し、6月5日には前日比▲7.5%安で引ける事態となりました (空売り投資家スコーピオン、レーザーテック標的に-株価大幅安 - Bloomberg)。

レーザーテック経営陣は即座に「不正会計の疑惑を明確に否定する」と発表し (空売り投資家スコーピオン、レーザーテック標的に-株価大幅安 - Bloomberg)、社外有識者による特別調査委員会の設置に踏み切りました。その後、調査委の報告書で「不正は認められず」と結論付けられ (レーザーテック、特別調査委が報告「不正認められず」 - ロイター)、疑惑は概ね払拭されています。スコーピオン側も大きな追及材料を得られなかったようで、空売り筋の影響力は次第に後退しました。今年(2025年)に入り、株式貸借取引の需給を見ると大口の空売りポジションは減少傾向にあるとの指摘もあります(実際、前述の信用倍率が高水準なのは空売り残が相対的に減った裏返しです (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん)))。いわば**「空売り筋退潮」**の様相で、3月以降の株価下落はむしろ外国人投資家の買い越し姿勢後退(利食い売り)や国内機関投資家のリバランス売りによるところが大きいと考えられます。

実際、2025年1-3月期は円安一服や米金利上昇を背景に海外投資家が日本株をやや売り越しに転じたとのデータもあり、日経平均がこの期間10%以上下落する中でレーザーテックも連動安しました (2025年1-3月期の日本株の動きからみえてきたこと)。機関投資家は年度末にかけハイテク株の比重調整を行ったとも言われ、同社の株価もその煽りを受けた可能性があります。一方で、4月以降に米株が落ち着きを取り戻すなら再び海外マネーが半導体株に回帰する展開も考えられ、レーザーテックにとっては外部要因次第で需給が好転する余地があります。加えて、4月下旬の決算発表(4/28予定)で業績が堅調維持と確認されれば、機関投資家の買い戻しが入る可能性もあります。外国人・機関の資金フローは依然として株価を左右する大きな要因であり、今後も動向に注意が必要です。

日経平均全体の地合いとの相関性

レーザーテックは日経平均株価の採用銘柄(しかも株価水準が高いため指数への影響度も大きい)です (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん))。従って、日本株全体の地合いに連動しやすい傾向があります。実際、2025年初に日経平均がバブル後最高値圏の4万円目前まで急伸した際、レーザーテックも年初来高値16,400円まで買われました (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス)。ところがその後、トランプ政権の関税復活懸念や世界景気の不透明感から日経平均が失速すると、レーザーテックも3月〜4月にかけ急降下しています。今年1-3月の日経平均は▲10.7%下落(特に値がさハイテク株の下げが響いた)との統計もあり (2025年1-3月期の日本株の動きからみえてきたこと)、同期間のレーザーテック株の下落率(▲25%超)はそれを上回る値動きでした。これはβ値(市場感応度)の高さを示すもので、上昇局面では指数以上に上がり、下落局面では指数以上に下がるという特徴が表れています。

今後1〜3ヶ月間についても、日経平均全体のトレンドがレーザーテックの方向感を左右すると考えられます。足元では米国の金融政策や景気見通し、円相場、海外ハイテク株の動向などが日経平均の方向を決める要因です。もし日経平均が再び上昇基調に転じれば、レーザーテックも自律反発から指数連動の買いが入りやすくなるでしょう。一方、日経平均が調整局面入りすれば、レーザーテックも個別材料では抗しきれず軟調な推移を余儀なくされる可能性が高いです。

特に注目すべきはNASDAQを中心とした米ハイテク株との連動です。生成AI関連の代表株であるNVIDIAなどの株価が堅調かどうか、米中摩擦で米ハイテク指数が揺れないか、といった点が間接的に日経平均とレーザーテックに波及します。また、日経平均自体のボラティリティ上昇時にはETF経由の機械的な売買も発生し (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん))、同社株がその調整弁となる局面もあり得ます。したがって、個別要因だけでなく**「マーケット全体の風向き」**を読むことがこの銘柄の短期見通しには欠かせません。

株価位置とサポート/レジスタンス分析

現在の株価水準(約12,000円台前半)は、年初来安値圏に位置しておりチャート上は下値模索の段階です。上述した通り4月3日に付けた11,860円が当面の**最重要サポート(下値支持線)とみられます (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス)。この水準はPER約14倍、PBR約5.9倍に相当し、株価予想モデル上でも下値メド11,683円(PBR5.86倍)**と概ね一致する水準です (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro ) (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )。言い換えれば、1株純資産(BPS)約1,993円の約6倍前後で市場が一旦の適正下限と見做している計算になります (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro ) (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )。過去を振り返ると2022年以降、株価がPER15倍前後まで売り込まれると買いが入る傾向があり、今回もこの11,000円台後半で下げ渋る可能性が高いでしょう。

一方、上値のレジスタンス(抵抗線)としては、まず直近下落トレンドの戻り高値13,000円台前半が挙げられます。具体的には4月1日の高値13,095円や3月31日の高値13,110円近辺で戻りを抑えられており、この13,000〜13,500円ゾーンには25日移動平均線も存在してテクニカル的な抵抗となりそうです。さらに上には14,500円前後に75日線が推定され、その上は2月〜3月にサポートだった15,000円台が現在は抵抗帯に転じています。特に15,000円ラインは心理的節目であると同時に、PER約18倍(アナリスト予想EPSベース)となる水準でもあり (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )、業績のさらなる上方修正など強い好材料がなければ上抜くのは容易でないでしょう。

以上を整理すると、下値メドは11,800円前後、上値メドは13,000円台半ばと見る向きが多く、これをどちらに明確にブレイクするかが1〜3ヶ月内の焦点です (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro ) (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )。レンジを下放れると次は大台1万円が視野に入りかねず、逆にレンジ上抜けなら16,000円台への中期的反騰も期待されます (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro ) (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )。しばらくはこのレンジ内での値動きを想定しつつ、支持線・抵抗線の攻防を注視する必要があります。

他の半導体製造装置メーカーとの比較

同じ半導体装置株である東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)と比較すると、レーザーテックの株価・業績動向にはいくつかの共通点と相違点が見られます。共通するのは、いずれも2023年後半〜2024年前半にAI需要を追い風に業績が急回復した点です。東京エレクトロン(TEL)は2024年10-12月期に売上高6,545億円(前年同期比+41%)・純利益1,573億円(+55%)と好決算を発表し (東京エレクトロン、2025年第3四半期決算:予想を上回る)、2025年3月期通期予想も売上高2.4兆円(+31%)と増収増益見通しです (業績予想 | 投資家向け情報 | 東京エレクトロン株式会社)。アドバンテストも2025年3月期業績を大幅上方修正(営業利益2.7倍の過去最高益予想)しており (アドバンテスト、通期の営業益2.7倍に AI需要続き過去最高)、生成AIに伴う先端半導体テスター需要の急増を取り込んでいます (アドバンテスト、通期の営業益2.7倍に AI需要続き過去最高)。レーザーテックの増収増益率(通期売上+12%、営業益+27%見込み (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア))はこの2社に比べ見劣りするものの、そもそも前期までコロナ禍も関係なく成長を続けていたため基礎的な業績水準が高く、増収率が相対的に低いのは致し方ない面もあります。

株価の値動きを見ると、3社とも2023年末〜2024年初に高値を付けた後、直近調整局面にあります。東京エレクトロンは2024年1月に約33,000円の高値を付けましたがその後はやや上昇力が鈍り、4月上旬時点で約29,000円前後と高値から1割程度調整しています (東京エレクトロン (8035) - 証券アナリスト予想 - みんかぶ)。アドバンテストは業績上方修正を好感して一時2024年夏にかけ急伸しましたが、それでも最高値から16%程度下落した局面がありました ([PDF] 2024年度(2025年3月期) 第3四半期決算説明会 - Advantest)。レーザーテックの下落率(高値比▲25%超)は3社中で最も大きく、これは前述の短期需給悪化(空売り報道や外国人売り)に晒された特殊要因も影響しています。逆に言えば、他2社と比べレーザーテックの方が売られ過ぎ感が強い局面とも言えます。実際、予想PERはレーザーテック約15倍 (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん))に対し、東京エレクトロン約18倍、アドバンテスト約20倍程度(各社来期予想ベース)と試算され、レーザーテックの方がやや割安との見方もできます (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro ) (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )。株価純資産倍率(PBR)でもレーザーテック約6.1倍 (レーザーテック(レーザーテク)〖6920〗の株価チャート|日足・分足・週足・月足・年足|株探(かぶたん))に対し、他社は8〜10倍前後と高めであり、株価指標面ではレーザーテックの割安さが目立ち始めている状況です。

ビジネス面では、レーザーテックはEUV関連装置に特化した「一本足打法」的モデルであるのに対し、東京エレクトロンはエッチングや成膜など幅広い製品ラインナップ、アドバンテストはメモリ・ロジック両分野のテスター需要に対応するポートフォリオを持ちます。この違いから、レーザーテックは特定分野での需要変動が業績に直結しやすくハイリスク・ハイリターン型と言えます。他社がメモリ市況悪化の影響(例えばTELはメモリ向け装置比率が高いため業績がやや抑制)を受けた一方、レーザーテックはメモリ分野にはあまり絡まず先端ロジック特化で成長しました。その分、現在問題となっているEUV需要一巡の影響をモロに受けているとも言えます。対照的に、アドバンテストはAI特需に沸くロジックテスターで業績爆発的増加となり株価も高値圏を維持していますが、もしAI需要が一巡すると逆回転のリスクも孕みます。総じて半導体装置株はサイクル産業であり、好不調の波は避けられません。レーザーテックも他社も、その波の位相に多少ズレはあれど、大局的には同じ波に乗っている点を踏まえて比較検討する必要があります。

今後1〜3ヶ月間の株価見通し

以上のファンダメンタルズ・テクニカル材料を踏まえると、レーザーテック株の今後1〜3ヶ月(2025年4月〜6月頃)における見通しは**「下値警戒感とリバウンド期待が交錯する中、限定的なレンジ内での推移」**となる可能性が高いと考えられます。具体的なポイントを以下に整理します。

  • 業績面の下支え要因: 4月28日に予定される3Q決算発表では、上期好調を受けて通期業績予想の上方修正余地が注目されます。もっとも会社側は受注減を見越して慎重姿勢のため、仮に据え置きでもサプライズは小さいでしょう。ただ、「業績急悪化リスクは低い」ことが確認されれば安心感からの買い戻しが入りやすくなります。需要環境は底堅く、今期業績達成への信頼度は高いため、大崩れしづらい土台があります (レーザーテック〖6920〗、上期経常が99%増益で着地・10-12月期も2.4倍増益 | 決算速報 - 株探ニュース)。また自社株買い等の株主還元策発表の可能性もゼロではなく、ポジティブ材料が出れば下値不安の後退に繋がります。
  • 半導体市況とニュースフロー: 生成AI関連の好調が続けば、業界全体のセンチメントが好転します。例えばASMLやTSMCの決算・ガイダンスでEUV需要に明るい示唆が出れば、レーザーテックにも連想買いが波及するでしょう。一方、米中関係悪化や米国の対中制裁強化ニュースが出ると短期的に売り圧力が高まるリスクがあります。幸い、現状日本政府は慎重に対応しており突然の悪材料は想定しにくいですが、地政学リスクのヘッドラインには引き続き注意が必要です。
  • テクニカル・需給要因: 前述のとおり短期的には売られ過ぎ水準にあり、自律反発(リバウンド)のタイミングをうかがう局面です。11,500〜12,000円ゾーンには押し目買いオーダーが控えていると見られ、急落局面では下値を支えるでしょう。逆に上昇局面では13,000円付近で戻り待ちの売りが出やすく、大きく上放れるには材料不足です。信用買い残の処理には時間を要するため、大きな上昇トレンド復帰はまだ先と考えられます。出来高増加を伴う**底打ち確認(俗に言う「セリクラ」)**的な動きが出れば話は別ですが、現状そうした極端な投げ売りは見られず、緩やかな底練りが続くシナリオが有力です。
  • 他社動向・相対的な人気: 同業の決算シーズン(4月下旬〜5月)で、例えば東京エレクトロンやアドバンテストが強気の見通しを示せば、半導体株全体に再評価買いが入る可能性があります。その際レーザーテックにも資金が回るでしょう。ただし逆に、他社が慎重見通しや減速感を示せば、同社株も一蓮托生で売られる展開が考えられます。幸いレーザーテックは中国依存度が低いため**「米中リスク回避の受け皿」**として一定の物色需要が見込めます (レーザーテック (6920)〖買い〗:米中対立と中国の経済不調のリスクが少ない半導体製造銘柄 (個人予想) - みんかぶ)。マーケットが不安定化する局面では、防御力の高さから相対的に見直される可能性もあります。

以上を総合すると、今後1〜3ヶ月は概ね12,000円前後を軸にしたボックス圏での推移を予想します。下振れしてもPBR基準での適正下限である11,000円台後半で下げ止まる公算が大きく (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro )、一方上振れしても業績の将来不透明感が残る中では13,000円台後半〜14,000円付近で戻り待ちの売りに抑えられそうです。従って、急騰急落よりは狭いレンジ内でのもみ合いとなり、材料が出るごとに小幅に上下する展開がメインシナリオです。

もちろん、予想を超える事態が起こればレンジ突破もあり得ます。例えば予想外の業績上方修正や大型受注の開示があれば素早く15,000円台回復を目指す展開も描けますし、逆に世界景気の急減速や金融市場の混乱が生じれば1万円割れへの警戒も必要です。現時点ではポジティブ・ネガティブ両面のリスク要因が拮抗している状況です。したがって、「強気一辺倒」でも「極端な悲観」でもなく、**目先は慎重な楽観(Cautious Optimism)**で構えるのが妥当でしょう。

まとめ: レーザーテック株は、半導体サイクルの踊り場に差し掛かる中で足元業績は堅調、しかし来期以降への警戒から調整局面にあります。株価はテクニカルに売られ過ぎ感も出ており、大崩れは想定しにくいものの、明確な上昇トレンド再開には時間を要しそうです。今後1〜3ヶ月は業績発表や半導体市況ニュースに一喜一憂しつつ、概ね一定レンジ内での推移を予想します (レーザーテック(6920) : 理論株価・目標株価|株予報Pro ) (レーザーテック(株)〖6920〗:株価時系列・信用残時系列 - Yahoo!ファイナンス)。投資戦略としては、短期的な突っ込み安は拾い、急騰時は利確するレンジトレードが有効と考えられます。中長期目線では依然有望な成長企業であり、調整局面は仕込みの好機とも捉えられますが、短期的には外部要因の影響を大きく受けるため油断は禁物です。以上の点を踏まえ、慎重に最新情報をウォッチしながら対応していくことが重要でしょう。

(〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア) (〖決算解説〗レーザーテック 2025年Q2 :過去最高業績だが今後は業績リスクあり?|ゆき | エンジニア)(※本回答は2025年4月初旬時点の公開情報に基づいて作成されています)

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みやこのじょん

若手医師 兼 新人ブロガー 2020年4月、田舎への転居&コロナ自粛をきっかけに、YoutubeやTwitterなどの閲覧時間が爆増。楽しむ側になるだけではなく、自分もいろんな人を楽しませたい!とネットでの活動を開始した。 趣味はネット。人生とは楽しむものである、がモットー。

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