手術
手術がしたいから、僕は医者になった。
僕は昔から手先が器用な方だった。
そして、漫画のブラックジャックを読んで、「よし、俺も外科医になるぞ!」と決めた。
だから実際に手術ができるようになって、小さい頃の夢は叶ってはいる。
それでも、バンバン手術ができる環境ではないし、上達はしているものの、スピード感はない。
ゆっくり着実にできるようになっている、というのが実際のところである。
ところで、手術について考えてみたことがいくつかあるのでここに書き残しておきたい。
まず、手術をする、というのは実はものすごくハードルが高い。
なぜなら、法律で人を切ってよいのは医者だけ、と定められているからだ。
つまり、手術をしたいのであれば医者になるしかない。
もちろん、動物を手術したいときは獣医にならなければならない。
そして、第二に手先が器用でないとできない。
実際、僕は器用な方だからできるようになってはいるが、全然できるようにならない人もいる。
「誰でも何年かしたら、皆できるようになるよ」とはいうが、そんなのは気休めで、上手いやつが上手くなり、下手な人ができるようになることには上手いやつのできることはもっと増えている。
だから、手先が器用でない人は外科なんかするべきじゃない。患者のためにもならない。
そして最後に、上記2つの理由からできる人が非常に少ない、ということだ。
つまり、「最強の固有スキル」ということになる。
だから、手術ができるようになれば、働く人材としての市場価値はものすごく高くなる。
個人で稼げるスキルを身に着ける、という点で言えば最強だ。
たぶん、頑張れば年収1億円くらいはいける。
アメリカなら、10億円の年収の外科医もいるらしい。
日本においてはどうか?
しかし、日本においては自由診療ではないから、ビジネスの観点から言えば、あまり賢い選択肢にはならない。
なぜなら、上記二つの理由がそろって貴重な人材になったとしても、日本の場合ある程度の金額しか報酬がもらえないからだ。
自由診療ではない、ということは診療報酬が「保険点数」で決まっている。
つまり、できる手術の数は決まっているので、もらえる報酬もいくら歩合制にしたところで上限がきてしまう。
さらに、自分が働かない限り報酬は発生しない。
しかも貴重な人材であり続けなければならないが、自分を雇ってくれるところを探さないといけない。
もっと簡単に言えば「スケール(拡大)」できない。
つまるところ、固有のスキルをいくら高めたところで、年収の上限は決まっているのが日本の医者なのだ。
だから、もしも爆発的な収入を得たいのであれば、そういう「できる人を雇う経営者」にならなければいけない。
しかし、「できる人」が少ないから、雇用すること自体のハードルが高い。しかも、せっかく働いてもらっても続くかはわからない。
だから経営は難しいと言われるのだ。
経営者とはいえ、そういう「特殊なことができる人」を雇うことができなければ、その特殊性で利益を出し続けることは難しい。
スケールができて、固有のスキルがないとできないもの
その特殊性が薄まるが、誰でも雇ってできるのが「脱毛」と「AGA」だ。
少なくとも、医師免許がないとクリニックが開業できないことや、機材も使うことができない、という点では少しハードルが高いが、既に脱毛戦国自体は始まっている。
もともと「脱毛サロン」で全国展開していた「キレイモ」の会社が「エミナルクリニック」という医療用の脱毛レーザーを使用して全国に脱毛クリニックを作りまくっている。
その数、なんと2年間で50店舗だ。
うそだろ、というペース。
爆儲けなのだろう。
くそ~、あと5年すでに医者としての経験を積んでいればすぐにでも参入したいのだが、何せ資金が足りない。
いくら脱毛クリニックとはいえ、初めの資金は5000万くらい必要だ。
眼科で手術ができるクリニックを開業するとしたら1億5000万くらいらしいからそれに比べれば少ないが・・・
脱毛クリニックの良い点はなんといっても「スケールできる」点だ。
AGAのクリニックは、オンラインでできるから全国展開はすでにしてあるが、既に競合が強すぎる・・・
なかなか難しいな、いろいろと。