金融の期待と物理的コストのねじれを追い、2008年型トラップのリスクを監視する日次レポートです。
2008年型トラップ監視レポート - 2026-07-22
【2008年型トラップ監視レポート|7/22 8:20 JST】
**買い場判定:まだ買い場ではない。**
- Fear & Greed:**約38〜41、Fear**。目安の15以下には遠い。
- VIX:**17.05**。目安の30以上には遠く、恐怖はまだ市場に十分織り込まれていない。
- S&P 500週足RSI:**約61.9**。目安の30付近には遠く、売られすぎではない。
結論:**「恐怖っぽい空気」は出ているが、真の投げ売りではない。押し目買い勢がまだ生きている局面。**
**2008年型トラップ監視**
- **米10年債:危険信号**
- 米10年債利回りは**約4.6%台**。
- 株価が高値圏、VIXが低め、しかし長期金利が高止まり。これは「金融市場の楽観」と「インフレ・財政・原油コストの現実」が割れている状態。債券市場の反乱リスクは継続。
- **ビッグテック:聖域にコスト圧**
- AI CapExは2026年に大膨張。報道ベースでAmazon約2000億ドル、Microsoft約1900億ドル、Metaは1250〜1450億ドル規模、主要4社合計で約7250億ドルとの見方。
- 問題は「AI需要」ではなく、**チップ価格、メモリ価格、電力、冷却、データセンター建設費**が粗利を食うこと。売上成長が続いても、フリーキャッシュフローが削られればPERの前提が崩れる。
- **IEA / SPR / エネルギー:小康だが脆い**
- ホルムズ海峡再開で原油供給は回復。IEAは湾岸輸出が6月に大きく戻ったとする一方、なお戦前水準を大きく下回る。
- Brentは一時下落したが、IEA資料では直近**約77ドル/bbl**。製品市場、特にガソリン・ディーゼルはまだタイト。
- 米SPRは直近で**約3.165億バレル**まで低下。追加ショック時のクッションは薄い。
**現在地**
市場は「Bear Market Trap」の中で、**第2段階:楽観の残骸と物理コストの衝突**にいる。
まだVIXもRSIも暴落後の買い場を示していない。一方で、10年債高止まり、AI設備投資の肥大化、SPR低下、エネルギー製品市場の歪みが残っており、下方向の燃料は十分ある。
**行動指針**
- キャッシュ厚め維持。
- 急落初動では買わない。VIX 30超、Fear & Greed 15以下、週足RSI 30台接近まで待つ。
- AI・大型テックは「成長率」より**CapEx、電力コスト、FCFマージン**を見る。
- 原油・10年債が同時に上がる日は、株式にはかなり悪い組み合わせ。警戒レベルを上げる。